あおもみじの読書ノート

Amazonの欲しいものリストが本ばかり、年間100~200冊読む乱読系会社員の読書の記録

お金にも旬がある-DIE WITH ZERO-

ベストセラーのこちらの本、読まれましたか?

 

DIE WITH ZERO


 

私の友人はお金持ちが読む本でしょ?とスルーしていたそうです。私もすでに十分な資産がある人が、家族に残さず使いきれ!というような本だろう、と後回しにしていました。
 
全く違ったのです。
お金には使った方がよい時期があることを気づかせてくれ、人生で一番を大切な思い出をつくることの背中を押してくれる本、つまり、自分のお金をより良い形で使うための考え方を教えてくれる本だったのです。
 
お金はいつ使っても一緒でしょ?
いえ、使い時があるのです。
 
著者は20代前半の時に、友人のジェイソンにヨーロッパへの長期旅行に誘われたが、そんなお金はないと断りました。ジェイソンは借金をして旅に出て、たくさんの思い出を作りました。その思い出話を聞いた著者は後悔し、30歳の時にヨーロッパに旅に出ましたが、ジェイソンの時のようにユースホステルで同年代と和気あいあいと過ごしたり、重いバックパックを背負って旅行するのも、個人旅行で数か月の休暇を取るのも難しかったのです。
タイミングが遅すぎました。一方、ジェイソンは借金の返済に苦労はしたが、金では買えないかけがえない体験を得たのです。
 
このエピソード、ある程度の年齢以上になれば、「わかる!」と思ってもらえるのではないでしょうか。
 
若い時のように安ければOKというのは体力・気力が無理だと思うことが増えていませんか?定年退職したら、〇〇しよう、と思っていても、実際にその年で楽しめる体力が残っているでしょうか?
年を取れば取るほど、行動に移せる経験の種類は減っていくのです。
 
著者はそれをいつまでも子供用プールでは遊べない、という言葉で表現します。人生は次々とステージが移行していくという普遍的なプロセスを取ります。どんな経験でもいつかは自分にとって人生最後のタイミングがやってくるのです。
だから、遅かった!と思わぬように、使い時に経験にお金を使おうと説きます。
 
また、子供にお金を残す場合でも同じです。渡す時期により受け取る子供が感じる価値が変わるのです。
 
最後にこの本を一言で表すと、
人生で一番を大切なのは思い出をつくること
お金はそのための道具なのです。
 
今どれだけのお金を持っているかではなく、これからお金を貯めようと思っている人や老後のための準備をしている人が対象で(つまりほとんどの人)、特に子供がいる人には読む価値ありの本だと思います。