あおもみじの読書ノート

Amazonの欲しいものリストが本ばかり、年間100~200冊読む乱読系会社員の読書の記録

ただでお金を配りましょう-隷属なき道-

少しだけ収入増加を手放しても、
余暇を増やしたいですか?
自分の仕事が
AIに取られる不安はないですか?

もっとゆったり毎日を過ごしたいけど、
将来が心配だから、
頑張って働いて、お金を貯めなくちゃ!

いつまでこんな生活なんだろうなぁと
思う方に読んでみて欲しい本です。


隷属なき道
ルトガー・ブレグマン/著




人間がAIやロボットとの競争に負けても
それに隷属しないための
解決策について書かれた本です。


著者は
馬が車、列車、トラクターに換わったように
労働がAIやロボットに取って換わられるのは
避けられないと言います。

そしてAIやロボットに
取って換わられた人々は
困窮してしまいます。
困窮した人々はどうするのでしょう?
歴史は1つの事件で教えてくれます。
ラッダイト運動です。
1811年から1817年の、産業革命期に
イギリスの中部、北部で起こった、
編み物職人、労働者による
機械破壊運動です。

確かに自分達の仕事が奪われて、
生活が苦しくなったら、
同じようにその対象を
攻撃したくなるでしょう。
なんて恐ろしい未来、
解決策はあるのでしょうか?

著者はその解決策は
ベーシックインカムだと主張します。
全員に一律でお金を配るなんて!
その財源は?と思いますよね?
それは、今生活に困っている人々を
保護するためにかかっている費用、
審査、調査、就業支援等々の
費用で賄えるというのです。
本当かどうかは分かりませんが、
そうだとすれば、
お金を渡す人、渡さない人を区別するとか、
助けてあげたいけど
条件を満たさないからと
切り捨てる必要もなくなって
何てハッピーなことだろうと思います。

そして生活が保障されていれば、
安心して新しいことにチャレンジできます。


いやいや、お金だけを配るなんて、
貧しい人たちは無駄に使うに違いない!
働かない人が増える!と思います?
それも違うと実験で、示されています。

私たちも給付金をもらうことがありますが、
だからといって無駄使いしませんよね?
(する人がゼロとは言いませんが)
それぞれに必要なことに使いますよね。
貧しい人々も
それと同じだよな、と思います。

ベーシックインカムは
言葉だけの知識でしたが、
そのメリットが理解できました。
もちろんこの政策に
賛否両論あるのでしょうけど。

ちなみに、このブログのタイトル
「ただでお金を配りましょう」は
もともとオランダ語で
出版されたときのタイトルだそう。
ベーシックインカムを
一言で表しているけど(笑)。
「隷属なき道」になってよかったなと。


選挙も近く、
10年20年先のことを考える良い機会に
こちらの本はいかがでしょう?